自民党総裁選挙の波乱の結果を受け、株式市場が大きく反応しました。
石破茂氏の勝利を受け、日経平均株価は一時2,000円superの大幅安となったのです。いわゆる「石破ショック」で市場は一時パニックに陥ったと言えるでしょう。
しかしながら、この株価下落は必ずしも石破氏の経済政策への危惧だけが原因ではないようです。
むしろ、事前に有力視されていた高市早苗氏の敗退を嫌気した「高市トレード」の巻き戻しが大きな要因だったと指摘されています。
さらに、今後の政局動向にも注目が集まっています。
石破氏による衆議院の即時解散・総選挙の表明は、株価上昇につながる可能性があるとの指摘もあります。
過去の解散総選挙時における株価動向を見ると、投開票日までに株価が上昇したケースが多いのです。
つまり、この株価急落は一時的な反応にすぎず、むしろ買い場となる可能性が高いということになります。
とはいえ、直近の米雇用統計など、海外要因にも十分注意を払う必要がありそうです。
今後の株式市場の動向を注視しつつ、この石破ショックを好機と捉え、投資家は冷静に判断することが肝心だと言えるでしょう。
石破ショックの影響で日経平均株価が急落
週明けの9月30日（月）、東京株式市場では日経平均株価が大幅に反落し、一時的に37,797円（前週末比2,031円安）まで急落しました。
この急落に加え、外為市場ではドル・円相場が141円台半ばに達し、9月27日（金）に一時146円台半ばまで上昇していたことを考えると、約5円の円高・ドル安が進んだことになります。
この日の株価急落は、石破茂氏の総裁選勝利に関連しており、その影響から「石破ショック」と呼ばれる可能性があります。
石破氏の経済政策に対する不透明感が懸念され、今後の展開に要注意との声も上がっています。
しかし、市場参加者はこの状況においてもいくつかの重要なポイントに留意する必要があるでしょう。
9/30の株価急落は「高市トレード」の巻き戻しが影響
9月30日（月）の株価急落は、いわゆる「高市トレード」の巻き返しが大きな要因として考えられます。
9月27日（金）の取引時間中、自民党総裁選挙の第1回目投票で高市早苗氏がトップとなり、その後は同氏の勝利を織り込む展開が見られました。
高市氏が緩和的金融政策を主張していたため、この日は円安・ドル高が進み、国内の金利上昇が追い風となり、銀行株が売られる結果となりました。
しかし、石破茂氏の逆転勝利が決まると、取引終了後に「高市トレード」の巻き戻しが発生しました。
具体的には、円買い・ドル売りや株式の利益確定売りが見られ、その影響が9月30日にも続いたと言えるでしょう。
このように、9月30日の急落は単に石破氏の経済政策に対する嫌気だけではなく、高市氏の巻き戻しとも深く関連しています。
もう一方で、衆議院の解散および総選挙の報道も影響を与えていることが挙げられます。
「衆議院10/9解散、衆議院選挙公示10/15、同選挙投開票10/27」という日程が有力視され、午後には石破氏からもその方針が表明されました。早期の解散・総選挙が実現した場合、日本株は上昇する可能性が高いとの過去の経験則を思い起こす必要があります。
具体的には、東証再開後の解散総選挙では、2021年までに計25回行われ、解散日の終値から投開票日の終値までに、19回上昇、6回下落、平均上昇率は2.12%でした。
特に2000年以降は上昇6回、下落2回で、平均上昇率は4.27%に達しています。これらのデータからも、今後の市場動向には注目が必要です。
石破氏の経済対策と株式市場の反応
9月30日の株価急落に至った背景には、石破茂氏の経済対策に関する不透明感が影響していると言えます。
現時点では彼の経済政策の全貌は明らかになっておらず、市場にはプラス面とマイナス面が混在していると考えられています。
この急落は、特にマイナス面を先行して織り込んだ可能性があり、今後市場が遅れてそのプラス面を評価する動きが出てくるかもしれません。
実際、石破氏は基本的に岸田総理の経済路線を検証し、脱デフレを確実にする意向を示しているため、これまでの政策と大きな変化はない可能性が高いです。
そのため、9月30日の株価急落は「行き過ぎ」とみられ、近い将来に反発の場面が期待される状況です。
ただし、10月の最初の週は、米国で発表される雇用統計など、重要な日程が続くため、それらの影響を受けながらの市況展開が予想されます。
このように、今後の市場の動きには注意深く注視し、投資判断を行う必要があります。市場の反応がどのように変わるかを見極めることが重要です。
まとめ
自民党総裁選挙で石破茂氏の勝利を受け、株式市場は大きく反落する「石破ショック」が発生しました。
日経平均株価は一時2,000円superの大幅安となり、市場が一時的に混乱状態に陥っていたことがうかがえます。
しかし、この株価下落の背景には、事前に有力視されていた高市早苗氏の敗退を嫌気した「高市トレード」の巻き戻しが大きな要因だったとの指摘があります。
つまり、石破氏の経済政策に対する懸念だけが原因ではないようです。
さらに注目されるのは、石破氏による衆議院の即時解散・総選挙表明です。
過去の解散総選挙時における株価動向を見ると、投開票日までに株価が上昇したケースが多いことから、今回もプラスに作用する可能性が指摘されています。
つまり、この株価急落は一時的な反応にすぎず、むしろ今こそ買い場となる可能性が高いと言えるでしょう。
ただし、直近の米雇用統計など、海外要因の動向にも十分注意を払う必要があります。
投資家は、石破ショックを冷静に見極め、市場の動向を注視しつつ、適切なタイミングで投資判断を下すことが重要となります。
