近年、PS5 Proの登場が噂される中、特に注目されているのがそのGPU性能です。
AMDの最新アーキテクチャ「RDNA 3」を採用することで、従来のGPUに比べて大幅な性能向上が期待されています。
特に「RDNA 3は1サイクルで2命令を処理できる」というデュアルイシュー技術が注目され、公開されている16.7 TFLOPSが理論的に倍増し、33.4 TFLOPSに相当するとの話題も出ています。
本記事では、PS5 ProのGPU性能が本当にRTX 4070を超えるのか、実際の性能向上の期待値について検証し、具体的な数値や技術的な要因から考察していきます。
RDNA 3アーキテクチャの特徴
デュアルイシュー技術とは?
RDNA 3の最大の特徴として挙げられるのが、1サイクルで2つの命令を同時に処理できる「デュアルイシュー」技術です。
これにより、同じシェーダーユニット数でも効率が高まることが期待されます。
理論上、16.7 TFLOPSのPS5 ProのGPUが33.4 TFLOPS相当の処理能力を持つ可能性があると言われています。
しかし、この技術が全ての場面でフルに活用できるわけではなく、処理内容や条件によりパフォーマンスが変動することがポイントです。
デュアルイシューの限界と制約
デュアルイシューは非常に強力な機能ですが、特定の条件下でしか効果を発揮しません。
全ての命令が同時に処理されるわけではなく、条件が合わない場合は通常通りの処理速度になります。
そのため、16.7 TFLOPSが常に33.4 TFLOPSに達するわけではなく、ゲームなど実際の用途では理論通りの性能が得られないことが考えられます。
実際のパフォーマンスと理論値の違い
RDNA 3アーキテクチャのデュアルイシューによる性能向上は理論上では魅力的ですが、実際のパフォーマンスはこれほど劇的に向上しません。
リアルタイムでのゲーム処理では、他の要因も影響を及ぼすため、33.4 TFLOPS相当のパフォーマンスを発揮する状況は限られています。
これはRTX 4070などとの比較においても同様で、RDNA 3の効率向上をもってしても、RTX 4070を大きく上回る性能にはならないと考えられます。
PS5 ProのGPUとRTX 4070の比較
公表スペックの比較
PS5 Proは16.7 TFLOPS、RTX 4070は29.2 TFLOPSの演算能力を持つとされています。
この差は数値上明らかですが、RDNA 3のデュアルイシューにより性能が向上する可能性が示唆されています。
実際には、この性能差をどの程度埋められるかが注目点となります。
ゲームでの実用性能
PS5 ProのGPUがRTX 4070を上回るという期待もありますが、実際のゲームプレイで体感する性能差は小さくなる可能性が高いです。
ゲームでのパフォーマンスは単純なTFLOPSの数値だけでなく、メモリやデータ転送速度、冷却性能など多岐にわたる要素が影響を及ぼします。
そのため、PS5 ProのGPU性能がRTX 4070に近づくことはあっても、大幅に上回ることは難しいと言えるでしょう。
RDNA 3による効率向上の実際
RDNA 3のアーキテクチャは確かに高効率であり、同じハードウェアでより多くの処理が可能ですが、RTX 4070を凌駕するには難しい面があります。
PS5 Proは家庭用ゲーム機として設計されているため、コストや電力消費の面での制約があり、GPU単体の性能を極限まで引き出すことは期待しにくいです。
まとめ
結論として、PS5 ProのGPU性能が公表値の2倍になるという噂は、技術的には可能性があるものの、現実的には全ての条件で2倍の性能が出るわけではありません。
RDNA 3のデュアルイシュー技術は強力ですが、RTX 4070の29.2 TFLOPSと比較して、常時上回る性能を発揮することは難しいと考えられます。
PS5 Proのユーザーにとっては、理論値に基づく高性能なGPUが期待できる一方で、実際のゲーム体験としては、現行のPS5よりも改善されるものの、PC用のハイエンドGPUには及ばないことを理解しておくべきでしょう。