この記事では、いよいよ私たちの夜空に登場する彗星についてお伝えします。
この彗星は2023年に中国の紫金山天文台と南アフリカのアトラス望遠鏡によって発見され、多くの天文ファンの注目を集めています。
特に、日没後の西の空に輝く姿は、星空観察の絶好のチャンスです。
彗星の観察は、光の条件や見える方角に左右されるため、正確な情報が必要です。
今回は、見えるタイミングや位置を詳しく解説し、星空観察をより楽しむためのヒントをご紹介します。
夜空の美しさを堪能する準備を整えましょう。
彗星とは何か
私たちの地球は、太陽の周りをほぼ円形の軌道で回る「惑星」の一つです。
地球以外にも、火星や金星、海王星なども惑星に分類されます。
一方、彗星は惑星とは異なり、長くて細い楕円形や放物線の軌道を描きながら太陽の周りを回ります。
このため、数千年から数万年ごとにしか地球や太陽に近づくことはありません。
彗星が太陽に接近すると、その熱によって表面が変化し、ガスや塵を放出します。
この現象により尾を引くように見えることから、「ほうき星」とも呼ばれています。
名前の由来と読み方
「紫金山・アトラス彗星」という名前に興味を持たれた方も多いでしょう。
この彗星は、2023年に中国の紫金山天文台と南アフリカのアトラス望遠鏡によって発見されました。
彗星の名前には、発見者や機関の名前が最大で3つ付けられるため、今回のように名付けられたのです。
「紫金山」の読み方については、英語表記が「Tsuchinshan」で、ニュースでは「ツーシンチャン」と呼ばれることもあります。
しかし、日本では「しきんざん」と読むことが一般的です。
見える方角と時間
紫金山・アトラス彗星は、日没直後に西の空に見えます。
同時刻には西南西に金星も輝いており、星座に不慣れな方でも見つけやすいでしょう。
金星を目印に探すのがオススメです。
東京の空の様子は、国立天文台の「今日のほしぞら」サイトを利用すれば、他の星との位置関係も確認できるため、探しやすくなります。
見頃はいつ?最適な日
紫金山・アトラス彗星は10月12日から肉眼で見ることが可能ですが、15日までは地平線近くにあり、地上の明かりに邪魔されるかもしれません。
16日以降は見える高さが上がり、観察しやすくなります。
明るさはやや減少しますが、空が暗い場所であれば、ぼんやりと見えるでしょう。
現在の天気予報によれば、16日は曇りや雨の地域もありますが、日本海側や北日本では夜に回復する見込みです。
また、17日は満月で「スーパームーン」と呼ばれるほど大きく見える日です。
彗星は西の空に、月は東に見えるので、両方を同時に楽しむチャンスです。
20日頃までは肉眼で見え、望遠鏡や双眼鏡を使えば31日頃まで楽しめるでしょう。
紫金山・アトラス彗星は戻らない
彗星は一般的に長い楕円形の軌道を持ち、例えば1997年に接近したヘール・ボップ彗星は、数千年後に再び地球に近づくと予想されています。
しかし、紫金山・アトラス彗星は約8万年前にも地球に接近していたと考えられていますが、今回の接近時に惑星の引力の影響を受け、軌道がわずかに変わりました。
そのため、今後は太陽系の外に出ていき、二度と戻ってこないと予測されています。
まとめ
アトラス紫金山彗星の観察は、夜空を楽しむ絶好の機会です。
見頃は10月16日頃からで、日没直後の西の空に現れます。
この時期は彗星の高度が上がり、観察しやすくなります。
金星を目印にすると、見つけやすいでしょう。
さらに、17日は満月のスーパームーンが東に輝くため、両方を同時に楽しむことができます。
晴れた夜には肉眼でも観察でき、望遠鏡を使えば31日頃まで見ることが可能です。
これを機に、美しい宇宙の瞬間を逃さず楽しんでみてはいかがでしょうか。