スケートボードの競技ルールには常に進化がありますが、その中でも注目すべき新制度が「TNS制度」です。
TNS(採点拒否制度)は、パリオリンピックから導入された革新的なルールで、選手が自らの得点を取り消すことを可能にします。
この制度により、失敗や思うような得点がつかなかったトリックを無効にし、再挑戦するチャンスを得ることができます。
特にベストトリック方式において、最高得点を狙う戦略的な要素が加わり、選手たちの競技に対するアプローチが一段と高度になりました。
この記事では、TNS制度の詳細やそのメリット、さらには選手たちがどのように活用しているのかを詳しく解説します。
スケートボードファンなら見逃せない、新しい競技ルールの世界へご案内します。
TNSの意味と概要
TNS(採点拒否制度)は、パリオリンピックから導入されたスケートボードの新ルールです。
この制度により、選手は自分の得点を取り消すことができます。
スケートボードでは、トリックの着地に失敗すると0点になりますが、成功すると得点が記録され、そのトリックはもう一度試みることができなくなります。
例えば、
⚫︎トリックがうまくいかなかったとき
⚫︎期待したほどの得点がつきそうにないとき
⚫︎再挑戦すれば高得点が狙えそうなとき
このような場合にTNSが活用され、多くの海外選手も積極的に利用しています。
TNSのメリット
TNSは主に『ベストトリック方式』で使用されます。
ベストトリック方式では、
1. 選手は5本のトリックを披露
2. 各トリックが個別に採点される
3. その中で最も高得点の2本が最終得点に加算される
仮に5本中3本が0点でも、残りの2本が90点なら非常に高い得点を得られます。
したがって、高得点を狙うトリックが失敗した場合、別のトリックを試みるよりも、TNSを使って再挑戦する方が有利です。
TNSの注意点
⚫︎TNSを使用すると、そのトリックは0点になります
⚫︎5回の試行のうち1回としてカウントされます
⚫︎再挑戦はできません
堀米雄斗選手の事例
パリオリンピックの予選で、堀米雄斗選手はTNSを活用して同じトリックに再挑戦しました。
しかし、完全なパフォーマンスができず、2回連続でTNSを使うと2回とも0点になってしまうため、2回目は70点代を受け入れました。
このように、TNSを使用するかどうかは残りの試行回数や総得点を考慮して決定する必要があります。
堀米雄斗選手の経歴
堀米 雄斗(ほりごめ ゆうと、1999年1月7日生まれ)は、日本のスケートボード選手で、東京都江東区出身です。
彼は三井住友DSアセットマネジメントに所属し、一般社団法人ワールドスケートジャパンに登録されているスケートボード日本代表選手です。
堀米は、2021年に開催された東京オリンピックでスケートボード男子ストリートの初代金メダリストとなり、2024年のパリオリンピックでも同種目で金メダルを獲得しました。
彼は江東区立東砂小学校と江東区立砂町中学校を卒業し、6歳の時にタクシー運転手として働く傍らスケートボードを楽しんでいた父・亮太と共に大島小松川公園でスケートボードを始めました。
堀米は10代前半の頃から国内のトップ選手として活躍しており、彼を知る競技関係者は
「普通の小学生とは違い、堀米は他人の真似をするのではなく、独自の技や誰もできないようなトリックに挑戦していた」
と語っています。
さらに、小学生時代から海外の大会にも参加していました。
まとめ
スケートボードのTNS制度(Training and Scoring System)は、選手の技術向上と公正な採点を目的としたシステムです。
TNSは、トレーニングと評価の2つの側面から成り立ち、スケーターの技術やパフォーマンスを体系的に向上させるための指標を提供します。
スケートボード競技において、競技者のスキルや演技の難易度を評価し、より公平な結果を導くことを目指しています。
この制度により、選手は目標を持って練習に取り組み、競技全体のレベルアップが期待されます。